年賀状ソフトのおすすめを探すと、筆まめ、筆王、筆ぐるめ、宛名職人と似た名前が並び、どれを選べばいいのか迷いがちです。実は、この4ブランドはいずれもソースネクストが販売しています。そのため、どれを選ぶかは「どのメーカーが良いか」ではなく、「自分の使い方に合う作りか」で決まります。
本記事では、2027年用の最新版4製品を、価格、素材数、対応OS、住所録の機能で比較します。数値はソースネクストの製品発表資料と日本郵便の公表資料で照合しました。年賀はがきの発行枚数が減り続けるなかで、いまソフトを買う意味があるのかという点にも触れます。
この記事の結論
- Windowsで迷ったら、価格と素材のバランスが良い筆王Ver.31(3,960円)が基準になります
- 長年の住所録を大切に管理したい人や、素材の多さを重視する人は筆まめVer.37が向きます
- Macなら宛名職人 Ver.33が事実上の選択肢です
- 宛名印刷だけで数枚しか出さないなら、無料のサービスで足りる場合もあります
筆者は4製品の販売元であるソースネクスト(4344)の株式を保有しています。製品の評価はソースネクストの公式資料に基づいており、保有の有無で評価を変えることはありません。
年賀状ソフトのおすすめは住所録と作る枚数で決まる
年賀状ソフトの違いは、デザイン素材の数だけではありません。長く使うほど差が出るのは、住所録の管理と、宛名の仕上がりです。まずは自分がどの使い方に当てはまるかを見ておくと、候補がすぐに絞れます。
| こんな人 | おすすめの製品 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| 初めて買う・価格を抑えたい(Windows) | 筆王Ver.31 | 3,960円 |
| 素材の多さと住所録の管理を重視(Windows) | 筆まめVer.37 | 6,490円 |
| 操作の分かりやすさを最優先(Windows) | 筆ぐるめ 34 | 4,950円 |
| Macで作りたい | 宛名職人 Ver.33 | 8,690円 |
| 宛名印刷だけ・数枚だけ | 無料のWebサービスなど | 0円 |
参照:2027年の干支、未(ひつじ)年デザインを豊富に収録「筆まめ」「筆ぐるめ」「筆王」「宛名職人」8月20日(木)新発売 | ソースネクスト株式会社のプレスリリース
最初に見るべき3つの分かれ道
1つ目は、パソコンがWindowsかMacかです。筆まめ、筆王、筆ぐるめはWindows専用で、Macで使えるのは宛名職人だけです。ここで候補の半分が決まります。
2つ目は、すでに住所録をどこかに持っているかです。前のソフトやExcelで住所録を管理しているなら、取り込みやすさが最も重要になります。
3つ目は、毎年どれくらいの枚数を出し、デザインにどこまでこだわるかです。数十枚をきちんと出す人と、親戚に数枚だけ出す人とでは、必要な機能がまったく違います。
年賀状ソフトの主要製品を比較【2027年用】
2027年用の4製品は、2026年8月20日にダウンロード版が、9月2日にパッケージ版が発売されました。価格はダウンロード版とパッケージ版で同じです。
| 製品 | 価格(税込) | 素材数 | 対応OS | 主な特長 |
|---|---|---|---|---|
| 筆まめVer.37 | 6,490円(乗換版3,960円) | 45万点 | Windows 11/10 | 素材数最多、美麗レイアウト、デジタルアドレス対応 |
| 筆王Ver.31 | 3,960円 | 30万点 | Windows 11/10 | 手頃な価格、写真編集、送受記録の管理 |
| 筆ぐるめ 34 | 4,950円 | 2.5万点以上 | Windows 11/10 | 左から右へ進むだけの操作画面、クラウド保存が無期限 |
| 宛名職人 Ver.33 | 8,690円(アップグレード版7,590円) | 15万点以上 | macOS | Mac標準の連絡先・写真と連携 |
注意:価格は2026年8月20日発表時のメーカー価格で、販売店によって異なります
筆まめVer.37|素材数と住所録の信頼性で選ぶ
筆まめは、年賀状ソフトの販売本数で27年連続1位を掲げる定番です。素材数は45万点で、主要製品のなかで最も多いとされています。2027年用では、日本郵便のデジタルアドレスに対応しました。相手の7桁の英数字を入力すると、住所がすべて自動で入る仕組みです。
宛名を自動で整える「美麗レイアウト」もあり、目上の人に出す年賀状の見栄えを気にする人に向きます。価格は4製品のなかで2番目に高い一方、長年の住所録を1つのソフトで管理し続けたい人にとっては、その差に見合う選択肢です。
筆王Ver.31|価格を抑えつつ素材も欲しい人に
筆王は、3,960円という手頃な価格で30万点の素材を収録しています。2027年用として、未年の新デザインを1,000点追加しました。写真の編集機能が充実しており、家族写真を入れた年賀状を作る人に向きます。
住所録では、はがきを「送った」「もらった」の記録を管理できます。初めて使う人向けに、PDFのガイドブックも付いています。価格と機能のバランスが良く、Windowsで迷ったときの基準になる製品です。
筆ぐるめ 34|操作の分かりやすさを最優先する人に
筆ぐるめは、パソコンへのプリインストールを含めた導入実績で1位とされる製品です。画面の左から右へメニューの順に進めるだけで、デザイン面と宛名面が完成する作りになっています。
素材数は2.5万点以上と他の製品より少なめですが、そのぶん選択肢に迷いにくいとも言えます。作成した住所録やデザインを保存できる「筆ぐるめクラウド」は、保存期間が無料で無期限になりました。パソコンを買い替えたときのバックアップとして役立ちます。
宛名職人 Ver.33|Macで作るなら事実上これ
Macで使える年賀状ソフトは限られており、宛名職人がそのロングセラーです。今秋リリース予定の次期macOSへの対応も保証されています。Macの連絡先アプリや写真アプリと連携でき、1ライセンスで5台まで使えます。
価格は8,690円と4製品で最も高くなります。前のバージョンを持っている人は、7,590円のアップグレード版が使えます。なお、「宛名職人 2027 Premium」はWindows向けの別製品(2,970円)で、Mac版とは中身が異なる点に注意が必要です。
年賀状ソフトの筆まめと筆王の違い
Windowsで最も迷いやすいのが、筆まめと筆王の比較です。どちらも同じソースネクストが販売していますが、製品の立ち位置ははっきり分かれています。
価格差2,530円で何が変わるか
定価で比べると、筆まめVer.37は6,490円、筆王Ver.31は3,960円で、差は2,530円です。この差で主に増えるのは、素材数(45万点と30万点)と、宛名を自動で整える美麗レイアウト、デジタルアドレスへの対応です。
逆に言えば、素材を30万点から選べれば十分で、宛名の体裁に強いこだわりがなければ、筆王で困る場面は多くありません。住所録の送受記録や写真の編集は、筆王にも備わっています。
乗り換えなら筆まめの乗換版も候補になる
見落としやすいのが、筆まめの「アップグレード・乗換版」です。価格は3,960円で、筆王の通常版と同じです。対象となる製品や条件は購入前に公式サイトで確かめる必要がありますが、条件を満たせば、筆王と同じ価格で筆まめを使えます。
以前のソフトの住所録を引き継ぎたい人ほど、乗換版の条件を先に見ておく価値があります。
年賀状ソフトは無料と製品版のどちらを選ぶか
年賀状は、有料ソフトを使わなくても作れます。プリンターメーカーや日本郵便も、無料で使えるWebサービスやアプリを用意しています。問題は、自分にとってどちらが手間とお金の面で得かです。
無料で足りるのは宛名印刷が中心の人
出す枚数が少なく、デザインは既存のテンプレートで構わないなら、無料のサービスで十分に用が足ります。宛名の印刷だけであれば、フリーソフトという選択肢もあります。毎年数枚しか出さない人が、数千円のソフトを買う必要はありません。
製品版を選ぶ理由は住所録の管理
製品版の価値は、デザインより住所録にあります。誰に出して誰から届いたかの記録、喪中の相手の管理、引っ越した相手の住所の更新などを、年をまたいで1か所で扱えます。数十枚以上を毎年出す人ほど、この管理の手間の差が大きくなります。
年賀状ソフトを今年買う価値はあるか|年賀状じまいと住所録
年賀状ソフトを検討するうえで、避けて通れないのが年賀状そのものの減少です。ここは販売元の説明ではなく、日本郵便の公表数値で確認しておきます。
年賀はがきの発行枚数は前年の約4分の3に
日本郵便の発表によると、2027年用の年賀はがきの当初発行枚数は5.6億枚です。2026年用の7.5億枚から約74.3%の水準に減りました。報道では、減少は16年連続とされています。年賀はがきの販売は2026年11月2日から始まります。
| 年用 | 当初発行枚数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2026年用 | 7.5億枚 | — |
| 2027年用 | 5.6億枚 | 約74.3% |
参照:日本郵便株式会社「2027(令和9)年用年賀はがきの発行・販売等」(2026年8月31日)、共同通信(2026年8月31日)
枚数が減るほど「住所録」の価値が残る
年賀状を出す人が減れば、ソフトは不要になるように見えます。ただ、年賀状をやめる場合でも、最後に「年賀状じまい」の挨拶状を出す人は少なくありません。その宛先をまとめて管理し、翌年以降の喪中はがきや暑中見舞いにも使えるのが、住所録を持つ意味です。年賀状じまいの書き方は「年賀状じまいの文例|50代・60代・70代別の書き方と出し方」で年代別に紹介しています。
言い換えれば、年賀状ソフトの価値は「毎年大量に刷る道具」から「大切な人の住所を管理する台帳」へ移っています。出す枚数が減っていても、住所録を今後も手元で管理したいなら、買う理由は残ります。反対に、住所録を別の方法で管理できていて、枚数も数枚なら、無料のサービスで十分です。
年賀状ソフトの購入前によくある質問
- Q. Windows 11で使えますか?
-
筆まめVer.37、筆王Ver.31、筆ぐるめ 34は、いずれもWindows 11とWindows 10に対応しています。Macの場合は宛名職人 Ver.33を選びます。
- Q. 1本で何台のパソコンに入れられますか?
-
筆まめ、筆王、筆ぐるめ 34は、同じソースネクストのアカウントで5台まで入れられます(法人は1台)。宛名職人も1ライセンスで5台まで使えます。
- Q. 年賀状ソフトは毎年買い替える必要がありますか?
-
必須ではありません。古い版でも年賀状は作れます。ただし、干支の新しい素材は最新版に収録され、筆まめのオンライン素材や筆王の無料アップデート保証は2027年8月末までとされています。新しい干支のデザインを使いたいかどうかが、買い替えの判断材料になります。
- Q. ダウンロード版とパッケージ版はどちらがいいですか?
-
価格は同じです。すぐに使いたいならダウンロード版、手元に形として残したいならパッケージ版が向きます。インストールや素材の追加にはインターネット環境が必要です。
- Q. 前のソフトの住所録は引き継げますか?
-
多くの場合、引き継げます。ただし、前のソフトの種類やバージョンによって対応状況が異なるため、購入前に公式サイトの対応一覧を見ておくと安心です。
まとめ|年賀状ソフトは住所録を何年使うかで選ぶ
年賀状ソフトのおすすめは、デザインの好みより、住所録をどう管理したいかで決まります。Windowsで迷ったら価格と素材のバランスが良い筆王、住所録の管理と素材の多さを重視するなら筆まめ、操作の分かりやすさなら筆ぐるめ、Macなら宛名職人が軸になります。
年賀はがきの発行枚数は前年の約4分の3まで減りました。それでも、大切な人の住所を1か所で管理し続けたいなら、年賀状ソフトを買う理由は残ります。出す枚数と住所録の使い道から逆算して、自分に合う1本を選んでください。

