スター・マイカ・ホールディングス(2975)が、1月13日に2025年11月期本決算を発表した。
その内容は、中古マンション再生のリーディングカンパニーとして、期待を大きく上回る「極めてポジティブ」な数字となった。営業利益は前期比32.4%増の73億円。特筆すべきは、当初2026年度に掲げていた中期経営計画の利益目標を「1年前倒し」で達成した点だ。
さらには次期予想も大幅に引き上げ、8円の増配(年間45円)も予告している。まさに「中古シフト」の恩恵を最大限に享受する同社の勢いを証明する内容であった。
スター・マイカ2025年4Q決算|中計目標を前倒しで突破
| 項目 | 25年11月期(通期) | 前期比(YoY) | 26年11月期(予想) |
| 売上高 | 69,158 | +23.8% | 34,715(+22.5%) |
| 営業利益 | 7,314 | +32.4% | 9,298(+27.1%) |
| 当期純利益 | 4,184 | +34.7% | 5,095(+21.7%) |
| 1株配当 | 37円 | +14円 | 45円(+8円) |
スター・マイカの2025年11月期決算は、単なる「増益」に留まらない。構造的な勝利を確信させる「光」が極めて強い内容だった。
参照:スター・マイカ・ホールディングス株式会社|2025年11月期決算短信
参照:スター・マイカ・ホールディングス株式会社|2025年11月期決算説明資料
【光】中計目標の早期達成と「利益成長力」の実証
ポジティブな側面は、同社の「価格転嫁能力」と「資産回転」が劇的に向上した点だ。
- 利益目標の1年前倒し達成: 当初、2026年11月期に予定していた営業利益目標(70億円)を、1年も早く今期(73億円)で突破した。
- 新目標の大幅上方修正: 前倒し達成を受け、来期の営業利益目標を当初の70億円から92.9億円へと30%以上も引き上げた。
- 販売利益率の改善: 販売利益率は14.5%(前期比+1.5pt)に上昇。建築コスト高騰の影響を受けにくい中古物件を扱い、かつ適切にバリューアップして「高く売る」スキームが完全に機能している。
- 大幅増配の予告: 今期の37円から、来期は45円(+8円)への増配を予定。配当性向30%を維持しつつ、利益成長をダイレクトに還元する姿勢を示した。
【影】借入コストの上昇懸念と市場の「不動産アレルギー」
- 金利変動リスク: 支払利息は12.3億円(前年比+40.6%)と増加。ただし、変動金利借入の約70%をスワップで固定化しており、実質的な影響は限定的。
- 在庫残高の膨張: 販売用不動産は1,050億円(前年比+9.6%)まで拡大。市場が冷え込んだ際の下落リスクを投資家は警戒している。
スター・マイカ新目標|営業利益92億円への超・上方修正
今回の決算で最も驚きを与えたのは、次期営業利益を92.9億円(前期比27%増)とする強気なガイダンスだ。当初中計(70億円)を大幅に塗り替えた背景には、「中古マンション市場の構造的変化」への絶対的な自信がある。
最新データでは、首都圏中古マンションの成約価格が13カ月連続で上昇し、在庫件数は5.5%減少している。つまり「物が足りず、価格が上がりやすい」売り手優位の市場が2026年も継続することを、プロの視点から確信しているといえる。
また、含み益の実現割合(資産回転率)が今期36.4%まで高まっている点にも注目したい。仕入れた物件を寝かさず、迅速にリノベーションして市場へ戻す「高回転モデル」が確立されたことで、ROE 15%を超える高収益体質へと進化したのである。
スター・マイカの決算と評価|P/NAV 0.8倍の正体
これほど盤石な決算を出しながら、なぜ株価は割安に放置されているのか。その理由は「需給」と「不動産セクターへの偏見」に集約される。
なぜ株価は実績に追いつかないのか?
- 金利感応度への過度な懸念: 「利上げ=不動産は売り」という単純なアルゴリズムが、同社の「インフレを賃料に転嫁できる強み」や「ヘッジ済み負債」といった個別要因をかき消している。
- 中古再生セクターの知名度不足: 大手デベロッパーと比較し、中古リノベーションに特化した同社のビジネスモデルが投資家に正しく理解される途上にある。
P/NAV 1.0xへの道標と時価純資産1,750円のリアル
決算説明資料が提示する「1株当たりNAV(税引後含み益考慮の時価純資産)」は、約1,750円と算出されている。現在の株価(1,300円〜1,400円前後)は、この実質的な価値からすると「バーゲンセール」の状態にある。
筆頭株主である日本政策投資銀行(DBJ)との業務提携。二度にわたる流動化ファンドの組成成功は、プロが同社の保有資産の「質」を認めた証拠だ。
スター・マイカに抱く未来への期待
2026年1月13日の本決算は、きわめてポジティブ。スター・マイカが投資フェーズを越え、「利益を爆発させる段階」に入ったと高らかに宣言する内容であった。 2026年から実施される「住宅ローン減税の緩和(40平米以上への適用拡大)」にも要注目だ。同社が得意とする都心のコンパクトマンションにとって、これ以上ない強力な追い風となるだろう。
「新築供給難」と「賃料上昇」が織りなす2026年のマーケットでは、間違いなく中古物件が脚光を浴びる。実績を1年前倒しで達成するスピード感を持つ同社が、営業利益92億円を達成する可能性は高い。現在の「割安な株価」が修正され、NAV(時価純資産)に見合う評価を受ける日は、そう遠くないはずだ。

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