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インフォマート2026年株主総会|営業益50億の公約とSaaSの逆襲

インフォマート2026年株主総会|営業益50億の公約とSaaSの逆襲

2026年3月25日、株式会社インフォマート(2492)の定時株主総会が閉幕した。日経平均が史上最高値圏で沸く中、同社の株価は重苦しい展開が続いている。市場を覆う「SaaS不要論(AIによる代替懸念)」と、それに伴う極端な売り長状態。

しかし、総会で示されたのは、市場での勢いに欠けるセンチメントとは対極の「数字への自信」と「的確なAI・事業戦略」であった。未来への不安と、足元で劇的に改善する収益構造。このギャップの理解こそが、今後の同社を占う最大の鍵といえよう。

本記事は株主総会をライブ視聴しながら、高速タイピングした私的メモである。そのため、細やかなニュアンスが再現しきれていない。また、主観的な部分もあるかもかもしれない。その点はご容赦いただきたい。

注:この記事は投資推奨ではありません。投資はご自身の判断で行なってください。

目次

2025年度業績報告|高収益SaaSへの回帰を証明 

まず直視すべきは、公開情報から誰もが読み取れる、極めて強固な経営状況である。2025年12月期の連結業績は凄まじいV字回復を見せ、過去最高益を塗り替えた。

  • 売上高: 188億1700万円(前期比20.4%増)
  • 営業利益: 28億6300万円(前期比138.6%増)

この急成長は一過性のものではない。2024年秋に完了したサーバーのクラウド移行により、重荷だったデータセンター費が大幅に低減した。売上が伸びれば伸びるほど利益率が跳ね上がる、「本来の高収益SaaSモデル」への回帰が、数字として明確に証明されたのである。

参照:インフォマート|2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
参照:インフォマート|2025年12月期 決算説明資料

次期公約:インフォマート営業利益50億円への自信

株主が最も注目したのは、2026年12月期の業績予想であろう。木村社長は、中期経営計画の最終目標であった「営業利益50億円」を、今期の公式な業績目標として力強く掲げた。

  • 既存事業のストック収益: 125万社を超える強固な企業ネットワークによる月額利用料の安定成長。
  • コスト削減の継続: クラウド移行によるデータセンター費用の抑制継続。
  • 新たな柱の追加: 第一生命グループとの資本業務提携による強固な法人顧客ネットワークの獲得。 これらが絡み合うことで、利益成長のスピードはさらに加速する見通しであることが語られた。
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インフォマート株主総会|質疑応答の核心 

インフォマート株主総会の招集紙状

今回の総会で目についたのは、株主からの本質を突いた質問の数々である。会社側はこれらの厳しい問いに対し、真正面からロジカルな回答を示した。

日経平均が最高値圏で推移する中、当社の株価は上がらず冴えない。流通株式数(発行済株式数)が多すぎるのではないか? 

株主の皆様のご指摘を真摯に受け止めております。足元の低迷は、当社が『先行投資フェーズから利益を生み出す収穫期へ移行』したことを、市場が持続的な利益成長として確信するための『確認期間』にあることが要因の1つと考えております。

流通株式数については東証プライム市場の基準(35%)を十分に上回っており、円滑な売買機会を提供できている流動性の観点からポジティブに捉えており、下げる対策は考えていません。

しかし、1株あたりの価値を高めるため、自己株式取得を含めた機動的な資本政策を排除せず、市場環境や成長投資とのバランスを勘案しながら最適な資本構成を追求してまいります。

まずは今期の営業利益50億円の計画を着実に達成し、連続増配を継続することで、市場の評価を適正な水準へと回帰させます。

株価低迷の背景には「SaaSの死」という懸念がある。決算資料に説明を入れるなど、AIへの向き合い方が足りないのではないか? 当社のデータを外販したり、APIで顧客のデータベースに接続して最適化素材を提供するなど、具体的なAI対応はどう考えているか?

我々はAIを『ツール』として考えております。当社の本質的な強みはUI(画面)ではなく、お客様の取引を通じて日々蓄積されていく『明細まで含んだデータとなるネットワーク』を持っていることです。この溜まったデータをお客様自身が様々な角度で分析しやすい環境を作ることにおいて、AIは非常に有益です。

また、業界特化のサービスを展開していく中で、各業界のルールややり方を反映した『AIエージェント』を準備し、お客様の社員教育等に活かすことも検討しています。これらの新サービスを迅速に提供するため、社内外の専門家を集めたAIチームを立ち上げ、体制を整えています。

インフォマートは労働集約型ではないはずだが、採用が過剰ではないか? AIで効率化が進む流れに逆行していないか? また、次期中計(2027年以降)のビジョンが見えないことも株価が冴えない原因ではないか? 

当社のシステムは、1社の契約企業に対して、その取引先(数百〜数千社)を一斉に巻き込んで稼働させる必要があり、そこに『経験と段取り』というマンパワーをかける必要があったため、過去3年間で年間100名を超える積極採用を行いました。現在は追加採用をほぼストップしており、採用した約300名の育成と戦力化に注力するフェーズに入っています。

今後。建設業など新しい業界へ展開する際も、既存の仕組みを熟知した社内メンバーが異動して推進するため、人員が一気に増えることはありません。 また、現在策定中の次期中計については、AI活用やSaaS市場への不安を払拭する前向きな取り組みを盛り込みます。

従来の『BtoBプラットフォーム』の枠に囚われない新サービスや、蓄積されたデータの新たな活用法を示し、皆様にご満足いただける計画を発表したいと考えています。

参照:「BtoBプラットフォーム 受発注」の年間流通金額が2兆円を突破 

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インフォマート株主総会|その他の質疑応答まとめ

上記の本質的なやり取り以外では、以下のような質問も寄せられ、会社側の明確な方針が確認された。

第一生命と組んだ理由

 第一生命グループの強固な法人顧客ネットワークを獲得するなど、新たな柱を加えるためである。インフォマートの購買・請求ソリューションに、第一生命の採用や人材定着、福利厚生といった人事領域のソリューションを掛け合わせる。このような「働く人を支える」という共通理念のもと、人手不足などの社会課題解決を目指す強力なシナジーがある旨が語られた

参照:第一生命ホールディングス株式会社と株式会社インフォマートとの資本業務提携に関するお知らせ

フォーマットの統一と建設業への展開

株主から「類似サービスが乱立し生産性が上がっていない」との指摘があった。会社側は「取引の上流から下流まで一括でデジタル化すること」が生産性向上に直結すると回答。他社システムともシームレスに繋がる仕組み作りを進めると明言した。

また、建設業界への展開において、発注者からのトップダウンによるところが大きい。そのため、下請け側の入力手間がネックになっていた。解決するべく発注者のデータをそのまま納品書や請求書に変換できる「TRADE」機能が賛同を得ていると、現場の課題解決に努めながら、丁寧に機能を付け足すなどの普及戦略を語った。

販管費(人件費・販促費)のコントロール

株主から問われた、業績回復へのポジティブな評価とあわせた「人件費等コスト増加への懸念」。これに対し、ここ数年の競合他社に対抗するための費用投下は一区切りがつき、黒字化がスタートしたと説明。今後は人件費や販促費を適切にコントロールしつつ、今期の目標(売上高200億円・営業利益50億円)は通過点として達成に努める方針を示した。

インフォマート株主総会|筆者の見解

今回の株主総会の印象は、市場の悲観と、企業が内包する「実力」が交錯した特異な空間であったといえよう。目先の株価低迷や「SaaS不要論」に対し、木村新体制がの回答は、揺るぎないロジックと納得できる数字の裏付けである。巨額投資のフェーズを終え、いよいよ利益爆発の収穫期へと突入したインフォマート。同社の「大逆襲のシナリオ」について筆者の見解をまとめたい。

株主が抱える不安と経営陣の揺るぎないロジック

業績の数字や50億円到達のロジックは、決算資料を読めば誰でもわかることだ。今回の株主総会で印象に残ったのは、SaaS不要論と株価低迷に対する株主の「不安感」。そして、それを受けての会社側の「揺るぎないロジック」の激突である。「決算資料にAIに対するコメントが足りない」「採用過剰ではないか」「次期中計が見えない」。株主からの厳しい質問は、現在の株価低迷がもたらすフラストレーションの代弁といえよう。

AI時代に光る「人間の泥臭い経験と段取り」

AI化が進む中での企業価値の維持について、経営陣の回答は極めて冷静かつ本質的であった。AIを恐れるのではなく、自社が持つ125万社の「データネットワーク」を強化・分析するための有益なツールと位置づける。さらにはアナログな取引先をシステムに巻き込むために「経験と段取り(営業・サポート力)」に投資してきたという事実。125万社の企業が日々交わす「合意形成インフラ」は、明日から別のシステムにすげ替えられるような軽いものではないのだ。

参照:請求書クラウドサービス「BtoBプラットフォーム 請求書」 利用企業数120万社突破!

実績による証明と逆襲のシナリオ

現在、市場はまだ「SaaSの死」に踊らされているかもしれない。しかし、第一生命グループが、約174億円もの資金を投じて15%の主要株主となった。両社は資本業務提携も結んでおり、「営業利益50億円」の公約がある。

さらに、配当性向50%を基本とした連続増配の継続や、株主からの「個人投資家向けIRの強化」要望に真摯に耳を傾ける姿勢。こちらも投資家との強固な信頼関係を築く確かな布石となるはずだ。実績という最強の証明によって、市場の不当な評価が修正されるのか?インフォマートが再び企業真価を知らしめる「逆襲のシナリオ」を、確信を持って見届ける所存だ。

まとめ

SaaS市場全体への悲観論に引きずられ、不当に据え置かれたインフォマートの株価。しかし、本総会で浮き彫りになったのは、値上げを実現できる「価格支配力」と高収益体質。加えて、現場に寄り添う「泥臭い営業・開発力」、そして競合すら飲み込む「オープンなデータハブ構想」であった。「営業利益50億円は通過点」と言い切る経営陣の確固たる自信。これが実績として現れた時、極端な悲観論に覆われた市場の評価が、同社の真の価値へと追いつく。その日は決して遠くないだろう。

✅ この記事は、株主総会のライブ配信をリアタイしながら「Keychron K5 SE」でタイピングしました。

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この記事を書いた人

SADAのアバター SADA Active Investor & Web Content Director                            

SADA
・投資利益8桁を達成する現役投資家
・Webライター / ディレクター
・「keychron」認定インフルエンサー
・会社員としてマネジメント業務に従事

【投資・ビジネスの専門性】
26歳から民間企業に入社し、ルートセールスを経て営業事務課長へ昇進。総務・人事部でのISO立ち上げや人事考課システムの構築、営業部向けの売上分析など、企業のバックオフィスからフロントまで幅広い実務を経験。

特に自社がM&A(企業買収)された際は、リーダー職として基幹システムの統合責任者や2社間の業務調整に奔走した。こうした「現場のリアル」と「M&Aの当事者」としての過酷な経験が、現在の「決算書の数字から企業の真の姿を読み解く」深い銘柄分析の土台となっている。

【副業】
M&A後の過酷な労働環境(早朝から深夜までの27時間労働など)とコロナ禍を機に、「会社に依存しない生き方」を模索しWebライターとしての活動を開始。独学でスキルを磨き、現在ではリサーチから構成・編集・SEO対策までをワンストップでこなすディレクターとして活動中。

【ガジェットへの知見】
日々の膨大なテキスト入力やデータ分析を支えるため、キーボードをはじめとするガジェット選びには強いこだわりを持つ。
現在、世界中のキーボード愛好者から高く評価されている「keychron認定」インフルエンサー。

【趣味・ライフワーク】
1980年代からTHE ALFEEやTM NETWORKなどのライブに足を運び続ける熱狂的な音楽ファン。自身の人生経験と重ね合わせた熱量高いレビューも執筆している。
また、SNS運用の知見を活かし、実家の飲食店のInstagram運用(フォロワー2500人)を手掛けるなど、多角的な発信を続けている。

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